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2015年3月

老成への道

   季節は巡り、今年も華やかに桜舞う時節を迎えました。

   四季折々に、そして人もまた、その歳とともに、その折々を

   しみじみと味わいたいものです。

      - - -

   ところで、確か釜本氏(日本を代表する往年のサッカー選手)

   だったと思うが、次のようなことを言われていた。

    「現役時代は、どのような狭い場所でも、すいすいと

     障害物を避けて通り過ぎていたものだが、ある時、

     傍らの机に脚をぶつけて、ああオレも歳をとったもの

     だと実感させられたことがある」 というものである。

   天下の大選手と同等に置くつもりは毛頭ないが、この実感は

   切実に感じ入ることでもあった。

   今でこそ、「ご隠居」を標榜しているわが身だが、

   これでも? 若い頃には少々「バスケットボール」なんぞに

   興じていたことがあるのである。

   現役時代は、確かにどんなに混雑した繁華街でも、まず

   人にぶつかるなんてことはなく、華麗?な身のこなしで

   歩いていたものである。 

     (余談: 関西人のなかでも特に大阪人の平均

          歩行速度は世界1らしい。 

          そういう人達にも,揉まれつつ優雅に

          歩いていたのである)

   ところが、30も半ばを過ぎた頃から・・・あとは想像に

   お任せしよう。 ・・・・そう、その通りのざまである。

   釜本氏の実感も、正しく「同感!」というわけである。

      - - -

   さて、古希を経て、ある時面白いことを体感した。

   自室で何気に手にしていた「消しゴム」を天井に向けて

   放り投げ、片方の手で掴んでいた。

   ところが、時折、ポロリとやらかしてしまうのである。

   まさか!まさか!である。

   若い頃の、普通の運動神経の持ち主なら、簡単にして

   他愛のない所作である。

   それが今、神経を凝らさないと、時折ポロリとやってしまう

   テイタラク。 現実は厳しいのである。

   お疑いなら、自らやってみられるがよろしかろう。

      - - -

   さて、ここからが、老成への道の本題。

   決してこの「ポロリ」を悲観したり、嘆いてはいけないので

   ある。

   こんな他愛のないことに、一時的にしろ集中している

   自分自身の姿。

   なんとも可愛げがあるではないか・・・。

   歳相応にその現実を現実として受け入れ、

   それを楽しむ・・こころの持ちよう。

   うまく歳をとるということはそういうことではないか、と

   「消しゴム」から教えられたわけである。

   とまあ、そんなことを想いつつ、「消しゴム」を放り投げ、

   ・・・見事ナイスキャッチ!

   といって、部屋のなかで消しゴムを投げているだけでは

   能がない。

   いよいよ桜の季節。

   花酔いの散歩と洒落ましょう・・・・。

 

 

 

 

 

年齢とともに

   「不朽の名作」という言い方もすでに陳腐かもしれないが、

   ジョン・スタインベック原作の「エデンの東」は、今もその

   テーマ音楽と共に、心に残る名画のなかの1つである。

   この映画で、ジェームズ・ディーンが一躍世界的な俳優と 

   して脚光を浴びたことは周知の通りである。

   「最初」にこの映画を観たのは確か学生時代であった。

   (その後、何度か見ている)

   今、思い起こすと、その時には明らかに若者(J・ディーン)に

   感情移入し、若者の立場でこの映画を観ていたに違いない。

   ところが、後年、それなりの歳を経てからこの映画を観た時、

   ふと、自分が父親(役)の立場でこのストーリーを追っている

   ことに気付いた。

   映画も観る側の立ち位置で見方が変わるのである。

   勿論、立場を変えても、見るにあたいする映画は、

   夫々に感興を与えてくれることは言うまでもない。

      - - -

   唐突にこのようなことが過ったのは、ある先輩の一言が

   頭の隅に残っていたからであろう。

   その先輩曰く、「徒然草」は大概誰も1度位は目を通して

   いるだろうが、ここに書かれている本当の凄さは、

   ある程度歳を経てみて、改めて解るものである・・と。

   (因みにこの先輩80代にして、その一言には重みがある)

   漫然とだが、なんだか腑に落ちるところもあったのである。

   ということで・・・

   今、「徒然草」(但し現代語訳)を読みはじめたところである。

   この際、244のエッセィを1つ1つ丁寧に時間を掛けて

   読んでみようかと思っている。

   若い頃に読み流した本を、歳を経てからじっくりと

   読み直してみる。

   なんと贅沢なことではないか。

   歳を取るのも悪くない。 如何なものですかご同輩!

      - - -

       宴会の席では 手でもたたきながら

       よい声で歌も歌える、というのも望ましいし

       酒を勧められると 困ったような顔をしながらも 

       結構飲めるくらいが男としては いいのである

             ( 徒然草現代語訳 第一段より )

 

9条問題(?)

   どうやら今国会で、9条改正案が成立する見込みである。

   自民以下6党が賛成の由。

       - - -

   と言っても、憲法9条ではないので、あしからず。

   公職選挙法の第9条である。

   現行の公職選挙法第9条は次の通りである。

      日本国民で、満二十年以上の者は衆議院議員及び

      参議院議員の選挙権を有する。

   この20年(歳)を18歳以上にする改正案である。

      - - -

   選挙権を20歳から18歳に引き下げるについては、

   多々意見が交錯しているところであるが、

   改正案の背景については、大体次のようである。

     少子化時代を迎え、若者の声をより国政に

     反映させたい。

     若者の政治参加により、国政の関心を高める。

     国際社会の趨勢に準じる(167ヶ国が18歳)

     国民投票法(近時18歳で確定)との整合性。 等

   ただ、これらはどうやら表の世界での理由付け。

   水面下では各党の思惑、様々あるらしい。

   端的に言ってしまえば、我が党にとって有利か不利か。

    (それを言っちゃおしまいか)

   さらに言えば、この公職選挙法改正も、国民投票法との

   繋がりで、実は憲法9条改正への地ならしという見方も

   あるから、政治の世界は「ヤワ」ではありませんね。

   他面、他愛のない話として選挙権を18歳に引き下げれば

   投票率引き上げ効果・・という○○を疑うようなことを

   おっしゃる御仁もおられた。

   ついうっかりとは思うが、投票者数は増えても、「率」は

   関係ありませんヨ。

   逆に若者の関心が低ければ率低下の可能性あり。

      - - -

   この公職選挙法改正案、ご隠居には正直の処、

   積極的に賛成でもなければ反対でもない。

   政治的影響についてはあまり関心がないという処。

   それよりも、日本人の「成人」意識が、法律1本で

   変えられていくことに少々戸惑いを感じている。

   もの心付いた頃から成人は20歳と刷り込まれている

   ことによる戸惑いではあるが・・・。

   聞くところによると、この改正案が成立すると、関連の

   法律を200弱修正(改正)する必要があるという。

   少年法や飲酒、ギャンブル等々今までの社会規範にも

   変化が生じることになる。

   そういった面からも、もう少し国民的議論があっても

   いいのではと思うのだけれども。

      - - -

   改めて思う事。

     それにしても、政治家の先生たち

     凄い仕事をされていたんでしたね。 

                   (ご隠居の独り言)

 

 

 

 

気侭な想像

   昨夜(12日)は、生憎都合が悪く、出席を見合わせたが!?、

   紀尾井町「福田屋」で、ある会合があった。

       - - -

   現総理主催の、歴代総理経験者の集まりである。

   出席者は、現総理(管官房長官同席)と、 中曽根、海部、

   森、小泉、福田、麻生 の各氏であった。

   歴代といっても、 鳩山、菅、野田氏は、流石というべきか、

   当然というべきか、お声が掛かっていない。

   特に、鳩山氏は、目下政府の意向を無視した旅行中。

   今も宇宙人健在のご様子。

   そういえば、村山氏の名前もないが、やはり連立政権下の

   元総理、微妙な立ち位置におられるということだろう。

   70年談話云々でなおさら・・・微妙な時期。

   出席者メンバーから、結構想像の世界が膨らむもの。

   我々庶民の世界でも、やれ誰を呼ぶか、呼ばないかと

   結構小うるさいことを見聞きすることがあるが、傍観者的

   には面白い見世物。

      - - -

   さて、昨夜のその会合、平均年齢相当の老人クラブだが、

   皆さん口だけは達者な面々だけに、ガス抜きの効果は

   期待通り。

   会は2時間に及んだ由。

   中身は最高機密❓の範ちゅうなのだろうが、

   気侭な想像は庶民の自由。

       座の中心は、やはりあの人か

       一応形式的にも、暫くは 政治の話(当たり前か)

       憲法、外交(中国、韓国) 防衛、経済など

       自由発言、現総理聞き置くの場面が続く。

       小泉氏の原発問題が気になるところだが、

       案外、酒が入っていつもの下ネタ?

       森氏からオリンピックの話も出ただろうな。

       それまでなんとか元気でいたいね・・なんて

       話で盛り上がり。

       最後は、安倍君、麻生君、今の調子で

       頑張ってくれ・・・でお開き。

          - - -

   とまあ、ご隠居の気侭な想像の世界、で あしからず。

 

 

 

 

早春の古都

   今回の小さな旅のメインは、旧交を温める2つの会に

   出席することであった。

   人生70余年、何とか無事で過ごしてきた道は夫々違っても、

   共通の記憶を共有する仲間という接点が見事に融合し、

   忽ちのうちに、時空を超えて穏やかな時間となった。

   これ以上の形容詞など不要の濃密な2つの会であった。

      - - -

   思う処もあって、今回折角の京都でもあり、「等伯を訪ねる」

   ことをサブメインとした。

   智積院と本法寺の障壁画などを観て廻った。

   以下に少し等伯について知るところを書いておく。

     - - -

   長谷川等伯は、1539年、戦国武将 畠山家(能登・七尾)に

   仕える家臣 「奥村家」に生まれる。

   長男が家督を継ぐため、等伯は幼くして 長谷川家(染物、

   絵仏師)に養子に出された。(後、娘の静子?と婚姻)

   養祖父、養父から絵の手ほどきを受けたことがその後の

   絵の道へのスタート、切っ掛けとなった。

   人生の岐路、運命の面白さである。

   33歳(当時としてはすでに中年)にして、本格的な画家を

   目指し京都に出る。

   最初本法寺の塔頭に身を置いたようである。

   本法寺は、等伯の生家 奥村家の菩提寺、本延寺の

   本山である。

   その関係、つてを頼ってのことであろう。

   その後の波乱万丈の末の画家としての業績、特に

   当時の巨星「狩野派」と競うまでに登りつめた長谷川一派

   の存在については周知の通りである。

   現在、東京国立博物館蔵の国宝「松林図屏風」はその

   代表的作品として有名である。

      - - -

   智積院

     現存する障壁画は、「楓図」 「桜図」 「松に秋草図」

     「雪松図」等である。

     特に26歳の若さで急逝した息子久蔵の「桜図」は

     見応えがある。(25歳の作品)

     長命だったら父をも凌ぐ力量ではなかったか、という

     専門家の声もある。

     素人目にもその画の迫力を感じることが出来た。

     偶々訪れた日、寺の行事なのか、珍しい場面に遭遇、

     数葉の写真を添付しておく。

        Dsc00370_2
          Dsc00363_2      

         Dsc00364
        Dsc00368


Dsc00367
   本法寺

     ここでは等伯晩年の 「仏涅槃図」を観た。

     (但し複製画。実物は一定期間のみ拝観)

     縦10m 横6mの大画面である。

     等伯自身の姿も書き入れているのは、

     集大成の意味合いもあったのであろう。

     尚、本寺は本阿弥光悦の「巴の庭」も有名である。

        
        Dsc00382
         Dsc00384

                                 以上









 

 

 

 

 

 

 

 

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