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1つ選ぶ(京都の庭編)

   先に京都の名刹のうち、1つ選ぶとすれば・・・というような

   ことを記したが、古都の庭園も百花繚乱。

   果たして1つ選ぶとすれば・・・・。

      - - -

   名庭といえば、竜安寺 天龍寺 大仙院 等々が思い

   浮かぶが、これらを選ぶのは、いかにも定番過ぎて

   あえて取り上げることもないだろう。

   確かまだ学生の頃だったと思うが、大徳寺の塔頭の1つ

   「高桐院」の庭を観てある種の衝撃を受けたことがある。

   それ以来、何度か足を運んでいるが、 やはり1つ選ぶと

   なれば、私の場合 「高桐院」ということになる。

   まず、庭に至る導入部(参道)の独特の雰囲気は秀逸で

   ある。人はまずこの参道で「古都の美」を味わう。

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   さて、ここの庭を一言で言い表せば、

   「なにもない・・・魅力」とでも言ったらいいのだろうか。

   高い木々の借景に横に長い庭、一面苔に覆われたその

   中央あたりに、灯篭が1つ・・・あるだけの庭である。

   他の多くの名庭、特に枯山水の庭は、1つの石、1本の

   草木にも計算され尽した精緻な作庭にその魅力がある

   のだろうが、 ここの庭は、一切の無駄を省いたような

   このシンプルさに、学生の頃の私は、おもわず衝撃を

   受けたというわけである。

   「高桐院」の庭は、素朴にして純の美である。

   あえて 1つ選んだ庭 の所以である。

      - - -

   (付記 1)

    「高桐院」は細川家に関わる寺である。

    細川忠興 ガラシャ夫妻 及び細川家代々の墓がある。

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  (付記 2 余計な事ながら) 

    過日の京都行の折にも、久しぶりに「高桐院」を

    訪れて庭を拝観した。

    正直に記すと、参道の素晴らしさは相変わらずだが、

    肝心の庭の印象が少し違うように感じた。

    仮に「聖と俗」というものさしで例えると、「俗」の比重が

    高まったように感じたのである。

    「高桐院」の名誉のために言っておくと、

    決して、高桐院が俗っぽくなったというのではなく、

    観る側の感応度の変化ではないかと感じたのである。

    若い頃感動したことも歳と共にその心も薄れてくる事も

    あれば、逆に、若い頃には、その良さや値打ちが

    解らなかったことが、歳と共に解ってくる・・・ それが

    「歳月」の重みということではないか。

    今回高桐院の庭はそんな事を私に教え、考えさせて

    くれた。



   




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